大きな災害時にいかにして効果的なネットワークを創り出すか

大きな災害時、どうすれば迅速で的確な災害対応ができるのでしょうか?

アメリカ同時多発テロ事件やスマトラ沖地震、ハリケーン・カトリーナなどでの
災害対応の経験を振り返った結果、混沌とした状況にあって、普段は協働してい
ない諸組織がいかにいかにして効果的なネットワークを創り出すことができるか
が、効果的な災害対応の質を決めることがわかりました。

ここに紹介する論文は、米国ケンブリッジに本部をもつ組織学習協会(SoL)の
機関誌『Reflections』に掲載された論文を許可を得て翻訳したものです。

 


急ごしらえネットワーク組織 (HFN: Hastily Formed Networks)
権限不在の際のコラボレーション
ピーター J.デニング

2001年9月11日、テロリストが世界貿易センターを攻撃し、2,749人の人命を奪いました。その攻撃は航空各社に厳しい経済的打撃を与え、株式市場に1兆2000億ドルもの損失をもたらすなど、さまざまな影響を及ぼしました。2004年12月26日には、マグニチュード9.1地震に起因する津波が広大な環インド洋の多くの国々の沿岸を襲い、28万3千人以上が亡くなりました。翌年の2005年8月29日には、カテゴリー5のハリケーンカトリーナがルイジアナとミシシッピーの9万平方マイル(約23万3千平方キロメートル)を超える地域の電気と通信インフラに大打撃を与え、150万人が居住地を追われました。その半年後になってもニューオーリンズ市では、元の住民120万人に対して10万人以下にしか回復していません。2005年10月8日にはマグニチュード7.6の地震がパキスタンのカシミール地方を破壊し、8万7千人を超える人々の命を奪いました。予期せぬ大惨事であったことに加えて、これらの出来事にはもう一つ共通の特徴がありました。いずれの場合にも、迅速に動員され組織化されて大規模な人道的対応の調整をした急ごしらえで作られたネットワーク組織(HFN: Hastily Formed Networks)があったという点です。

これらの災害の深刻さは、重要な事柄を明らかにしました。災害対応の質は、災害対策計画や最新機器の有無にではなく、救助を提供するために寄り集まってできたネットワーク組織の質に依存していた、ということです。どれほど迅速に音声とデータ通信が復旧されたか。まったくばらばらの組織から来た、重要な役割を担う多くの人たち(以後「参加主体」)が、どれほどうまく協力し合えたか。そのネットワーク組織はどれだけ効果的に被害者に援助を提供できたか。これらの出来事がはっきりと示していたのは、急ごしらえネットワーク組織(HFN)の質には明確な差があり、結果的にそれが対応の有効性における大きな差となって出てくるということでした。アメリカ国防総省と国土安全保障省は、これらのネットワーク組織にはほとんどいつも軍隊と政府と非政府組織が参画していたことに注目し、急ごしらえネットワーク組織(HFN)を効果的に組織する方法を学ぶことを優先事項にしました。「急ごしらえネットワーク組織(HFN)」という言葉は、私たちが2004年10月に海軍大学院大学で作った用語です。

この政府の様々なネットワーク組織から学んだ教訓は民間にもそのまま当てはめることができます。ここでの学びは、全体が共有する指揮権限がない中で複数の組織が協力し、協働しなければならない場合の、あらゆる緊急のネットワーク組織の構築に役立つでしょう。

 

起源
特定の緊急任務のためにすばやくチームを作り、任務が終われば解散するというアイデアは、新しいものではありません。表1は、HFNが対応しなければならない出来事の3つのカテゴリーを示しています。最初のカテゴリーは、比較的小さなチームと既知のネットワークが関与するものなので、最も容易であり、HFNを重視しないものです。

第2のカテゴリーは、警察や消防署などの緊急機関がまさにそのためにこそ用意されているような緊急事態です。これら緊急機関は特定の事態に対応するために高度に訓練された専門チームを用意しています。事前の計画や適切な技能訓練や機材の配置を行うための十分に練られた実践的手法を持っています。自らの活動を言い表すために「臨時ネットワーク」、「危機対応ネットワーク」といった用語をすでに使用しています。

表1 急ごしらえネットワーク組織(HFN)で対応することが必要な出来事の種類

カテゴリー

特 徴

K (Known)
既知

何をすべきか既知
既存のネットワーク構造を使用可能
対応しないことも選択可

一刻の猶予も許されないビジネス上の問題や機会に迅速に対応するチーム

KU (Known-Unknown)
既知・未知

何をすべきか既知
時間や場所が未知

対応するネットワーク構造が既知

地域的火災、小さな地震、暴動、軍事行動

UU (Unknown-Unknown)
未知・未知

何をすべきか未知
時間や場所が未知
対応するネットワーク構造が未知

911攻撃、その他のテロ攻撃、大地震、大きな天災(注記 対象の範囲や被災者数の増大によって、KUの出来事はUUの出来事になることがある)

第3のカテゴリーでは、HFNは最も重要になります。このカテゴリーに属する緊急事態は、あらゆる単一機関の統制力および能力を越えた対応を要求します。ネットワークの構造は個々の出来事とそれに対応する組織によって変わってくるでしょう。
第3のカテゴリーにおける課題の主な特徴は以下の通りです。

・真の驚愕  突然起きた出来事は既知のカテゴリーに当てはまりません。事前計画も訓練も機材の配備もありません。

・混沌  誰もが圧倒されています。誰も状況が理解できず、何をなすべきかわかりません。人々は取り乱し、パニック状態です。

・不十分な資源  事態の規模は、用意した資源や訓練を遥かに超えています。

・複数機関の対応  軍、政府、民間組織など、いくつもの機関が協力して対応しなければなりません。それまでは、これらのグループには協働しなければならない理由がほとんど、またはまったくありませんでした。「共存」状態から「協働」状態に移行する際の動揺も相当なものになるでしょう。

・分散対応  非常事態への対応は、その地域に広がる多くの地方管轄区に分散されます。資源配分や意思決定の権限が多くの組織間に分散されます。指揮統制型(コマンドコントロール型)の意思決定ではうまく機能しません。

・インフラの欠落  通信、電気および水道のような重要なインフラが機能しません。臨時のインフラを素早く設置する必要があります。

急ごしらえネットワーク組織(HFN)とは
突然の出来事が起きた後の最優先事項は、対応責任者同士がコミュニケーションし合うことです。状況に対する知識や解釈を出し合い、どの資源が利用可能かを知り、選択肢を評価判断し、対応策を計画し、決定し、決意し、行動し、調整しなくてはなりません。コミュニケーションなしでは、上記のいずれも実行されず、対応責任者は対応がとれません。このように、ネットワーク組織の真髄は、そのメンバーが使う通信システムとその中で彼らが対話する方法そのものになります。私たちはこれをHFNの「会話スペース」と呼んでいます。

HFNには5つの要素があります。つまり次のような人々のネットワークです。

・素早く集合する

・より大きな緊急の使命を果たすために一緒に働かなくてはならない

・異なるコミュニティを代表している

・共有の会話スペースの中で仕事をする

・        共に計画し、決意し、実行する

このようにHFNは、先端的なネットワーク技術を利用する組織のただの集まりでなく、それをはるかに越えるものです。効果的に活動するためには、HFN参加者は次の項目に熟練していなければなりません。

・移動通信およびセンサー・システムの設置

・「政軍境界領域活動」と呼ばれることもある、諸機関間の統合的活動の指揮

・行動計画の共同作成と、それらを実施する際の調整

・臨機応変の即興

・ソーシャルネットワークの指導(コミュニケーションと意思決定が分散化し、階層的な指揮系統あるいは職権上のリーダーがいない場合)

ほとんどの参加者は、個々の所属組織ではこのような技能を必要としません。従って、共に集まってはじめてこれらの技能が要求される任務の遂行が困難であることに気づくのです。もともと内在していたこれらの困難が緊急事態そのものの深刻さと重なると、会話スペースの機能不全が生じることもあり得ます。

会話スペースとは

どんなHFNにとっても、コミュニケーションや調整を継続して行なう必要性こそが、その成功のもとです。上述のように、私たちは〈会話スペース〉という用語を導入しました。これは、コミュニティとしての対応の形成に始まって対策の実施までのすべてがその中で行なわれる場を指します。会話スペースとは、一定の相互行為のルールに同意した参加主体間のコミュニケーションの場です。表2にその3つの側面が要約されています。

私たちが早い段階で出した結論の一つは、HFNの有効性は、初期段階に確立された会話スペースの質に左右されるということでした。911の後のニューヨーク市、あるいはハリケーンカトリーナ後のニューオーリンズの状況が示すように、参加主体たちが訓練されたプロであればそれで確実に効果的なHFNができるというわけでありません。ニューヨークでルディ・ジュリアーニ市長(当時)がツインタワー崩壊後の日々に直観的に理解したのは、ことの成功は、すべての人たち、特に市の居住者が自分もこの救援努力に参画していると実感するか否かにかかっているということでした。市長は情報を、たとえ細切れであっても、確実に共有するようにしました。初期には調整上の困難がいくつかあったものの、救援・復興段階においてはネットワークが結集して効果的になりました。ニューオーリンズでは様相が異なりました。様々な機関が調整上の大きな困難をかかえており、アメリカ合衆国緊急事態管理庁(FEMA)は、人々が約束されたと思っていたものを提供しませんでした。誰が何をするのか、誰がその費用を支払うのかを巡って、あらゆるレベルで多くの非難や口論が発生しました。

表2 会話スペースの構成要素

カテゴリー

特 徴

物理的システム

コミュニケーションや情報共
有を行なうときの媒体や機

電話、電力、道路、集会場所、消
耗品、配送システム

参加主体

参加している個人やグルー
プとその役割、中核的能力、権限

市民、消防署、警察署、道路交
通局、FEMA

やり取りの手順

協力を組織し目的を達成す
るために参加主体が守る
「ゲーム」のルール

状況認識、情報共有、計画策
定、意思決定、調整、統合指揮、
権限、PR(この環境には、共通の
権威や上下関係はなく、あるの
は多くの自治主体と分散型コミュ
ニケーションのみ)

 

 

大統領がFEMAに新しい長官を任命したときも、FEMAの有効性には即時の改善が見られず、同庁に対する批判は収まりませんでした。ルイジアナやミシシッピーに、標準的な軍隊式の指揮統制を実施しようという試みは効果的ではありませんでした。これらの例を挙げたのは、ニューヨーク、ルイジアナ、ミシシッピーを批判する意図からではありません。たとえ関係団体すべてが効果的な調整を願ったとしても、それが実現しないことがあるということを示すためです。

もちろんニューヨーク市とニューオーリンズ市では、災害の主な違いとしてスケールの違いがありました。ニューヨーク市がインフラを失ったのは、おそらく100ブロック(約2.2平方キロメートル)程度の範囲に限定されていました。ネットワーク内の主な機関の最終報告先は市長でした。グラウンド・ゼロ区域では、警察と消防署の無線網が基本的通信手段を提供していました。これとは対照的にニューオーリンズは一つの市を丸ごと失ったのです。しかもその市は、インフラを激しく破壊された9万平方マイル(約23万3千平方キロメートル)におよぶ地域の一部でした。通信手段は軒並み遮断されました。通信が徐々に回復してくると、膨大な数の市民がそれを使用しようとしました。そのため限られた容量のチャンネルはパンクしました。対応上協力し合う必要のある機関の数も遥かに多数でした。これらすべてに対して効果的に対応するというのは、ほとんどの担当責任者がまったく経験したことのないことでした。

ニューヨーク市は対応責任者と市民との間の信頼関係を素早く築きました。ニューオーリンズ市は信頼関係を築くのにかなりの困難を経験しました。私たちが出した結論の一つは、事態が手に余れば余るほど、縄張り主義の傾向が現れがちで、それがネットワーク組織の有効性を損なう、ということです。

全体を通しての教訓は、急ごしらえネットワーク組織(HFN)の有効性は、実際にやりとりを行う通信システムに依存するのと同じくらい、参加する人々や機関にも依存するということです。

 

条件反射的傾向

厳しい重圧の下では、人は直近の訓練を忘れ、昔から馴染んでいる習慣に後戻りしてしまうことがよく知られています[ⅰ][ⅱ]。リチャード・ストロッツィ・ヘッケラー[ⅲ]は、これらの古い習慣を「条件反射的傾向」と呼んでいます。この古い習慣は現在の状況に対しては不適切で、事態を悪化させがちです。

米国立標準技術研究所[ⅳ]は、「タイムリーな情報共有が欠けていたために緊急事態対応者の生命が世界貿易センターにおいて失われたことを圧倒的多数の証拠が示している」と結論付けました。米国立標準技術研究所が引用した警察無線の交信記録は、世界貿易センターの2つのタワーの火災を監視していたニューヨーク市警のヘリコプターが、北側のタワーに構造崩壊の兆候を認め、警察官全員に緊急避難を指令したことを示しています。しかし、ビルの崩壊が差し迫っていることを消防隊に伝えた者は警察にはいませんでした。なぜこのような異様な行動が起きたのでしょうか。

ニューヨーク市消防局次席補佐官であるジョセフ・ファイファー[ⅴ]は、緊急時に逆に効果的対応をできなくするという、緊急対応組織にしみついた条件反射的傾向の詳細な事例を、自身の修士論文(2005)で紹介しています。ファイファーは世界貿易センターで911の大惨事に遭遇したひとりでした。人とコミュニケーションを行わないという行動に対する氏の説明は、組織的なバイアス、つまり複数の分断された組織間に染み付いている社会的習慣のことですが、これが緊急対応従事者同士の会話を妨げた、というものです。バイアスのひとつは、グループ外よりも内部で情報を共有することを好むという、組織の社会的アイデンティティ(自己意識)です。重圧の下では、グループのメンバーは外部との協力や情報共有を考えず、他グループのメンバーが無事であるかどうかに個人的に責任を負うことを考えません。

ファイファーの研究目的は911の大惨事で無用に奪われた人命に対する責任を問うというものではなく、条件反射的傾向がHFNを機能不全に陥れるリアルな現象であることを認識することでした。ここで問うべき問いは、HFNで共に働き、条件反射的な傾向を避けられるような組織を準備しておくにはどうしたらいいのかということです。ファイファーは、異なる組織間でリーダーシップを共有する統合指揮ネットワークを諸機関が用いることを提案しています。例えば執行委員会のようなものです。そうすれば、コミュニケーション麻痺症状に苦しむことのないHFNの基盤ができるでしょう。

 

効果的なHFNのための指針

有効に機能するHFNの作り方を理解するのは難しい課題ですが、以下の指針は、極端な重圧の中にあってもネットワーク組織とその人々や機材がきちんと機能する枠組みを提供してくれます。

(1) 会話スペースの質を高める。  成功のためにはこれが決定的に重要です。会話スペースに含まれるのは、コミュニケーションのシステムと、参加者たち、そしてシステム内の相互のやり取りです。会話スペースが有効に機能するかどうかは、関係者が所属している個別の組織では通常なら学習することのないであろう技能に依存します。

(2) 物理的通信システムを確立する。  物理的通信システムは会話スペースの側面の一つです。通常のインフラが使えなくなった際に即座に設置できる移動通信手段を計画し、テストしておきましょう。そしてこの臨時通信手段を保安警備当局が警備するように手配します。あらゆる通信機器を定期的に使用しテストして下さい。標準的なソフトウェアや規格を利用しましょう。相互運用性と接続の簡便性が重要です。Webサービスはそのよい見本です。

(3) 関与する全組織が危機的状況の中でお互いに声を掛け合える、協働的な「執行委員会」を創設する。  お互いに共通点のない組織同士であることも、会話スペースのもう一つの側面です。それぞれに固有の文化や標準慣行や意思決定方法を持ち、他の組織のそれとは相容れないこともあるでしょう。慣れ親しんだ通常のやり方が止まってしまうと、個々人が混乱することもあります。率先して動くことができなくなり、同時に決してやってくることのない指示を待ち続けることになります。共通の指揮権限が存在しない状況ではどうしたらいいのか分からなくなるのです。従来から制定されている指揮統制型の慣行は通用しません。統制ではなく協働こそが、行動を成し遂げられる唯一の方法です。

(4) 相互運用性と簡便性という技術上の主要課題に特に配慮する。  Webサービスは相互運用性の高いツールです。誰でも、どのコンピュータからでも使うことができます。チャットやテキストメッセージも同じく相互運用性の高いツールです。一方で、主要なサービスでも相互運用性が高くないものもたくさんあります。例えばGrooveというソフトウェアは対応責任者の多くが連携に役立つグループウェアだと認めているものの、Windows上でしか動かず、SunのワークステーションやMac、Linuxのユーザーが利用できません。無線LANも十分に相互運用性が高くないものが多く、例えばLinuxやAppleの端末は、暗号化や認証にWindows PCとは異なる通信規格を使っています。

(5) 膨大な情報量が通信上の問題になることを予想しておく。  通信が復旧し始めると、災害の生存者たちが家族に連絡を取ろうとし、容量に厳しい制約がある回線に殺到します。緊急事態対応者たちも、それぞれ仲間に状況報告やその他のデータを大量に送ろうとします。危機のときこそ、不要不急の通信を抑える新しい技術を使い、限られた意思決定時間と通信容量を最大限に活かす必要があります。ヘイズ-ロス[ⅵ]は、情報システムの設計次第では効果を維持しながら通信量を10万分の1に削減することができる方法を紹介しています。

(6) 協働的なネットワーク作りに効果的な様々な技術の使用について理解し練習する。  効果的な技術としては、情報配信用Webサーバー、掲示板(wiki)や会議用ソフトウェア、チャットとインスタントメッセンジャー、仮想ショッピングモール、グループウェアなどがあります。

(7) 組織間の協働を阻む障壁を乗り越える準備をしておく。  障壁としては、任務の対立、不明確な役割分担、縄張り意識、互換性のないプロセスや情報システム、組織文化の乖離、説明責任(アカウンタビリティ)の欠如、不信、相手の能力に対する認識不足などがあります[ⅶ]。

(8) 組織の条件反射的傾向が圧倒的なストレスの下で現れることに対して準備しておく。  グループのメンバーにHFNの基本技能を身につけさせておきましょう。組織間の協働を促す政治的支援や、各組織が提供する能力に対する相互の敬意、お互いの福祉に対する配慮、行動とその結果に個人が責任をもつことなどを促しましょう。参加諸組織を代表し、また参加組織それぞれが提供する中核的能力を尊重した執行委員会のような「統合指揮」を実際に練習してみましょう。

(9) 参加者の臨機応変の即興技能を訓練する。  これはルール重視の一般的な組織とって容易くはない取組みです。しかしこれを行っておけば、重圧のかかる状況が発生した時に大きな違いを生みます。トレイシー・ヒューストン[ⅷ]は、効果的に行動する能力を身につけるため即興演劇テクニックを利用する可能性について探求しています。

 

著者紹介

ピーター・J・デニング(Peter J. Denning)

情報革新と優位性のためのセブロウスキー研究所の所長。カリフォルニア州モントレーの米国海軍大学院にある。アメリカ計算機学会(ACM)元会長。pjd@nps.edu

ⅰ Barthol, R.P., & Ku, N.D. Regression under stress to first learned behavior. Journal of Abnormal and Social Psychology 59 (July 1959), 134-136.

 

 Weick, K. Sensemaking in Organizations. Sage Publications (1995), 102.

 

 Strozzi-Heckler, R. Anatomy of Change. North Atlantic Books (1984, 1993).

 

 National Institute of Standards and Technology. Federal Building and Fire Safety Investigation of the World Trade Center Disaster: The Emergency Response Operation.Washington, D.C. (2005) 174ページ参照。

 

 Pfeifer, J. Command Resiliency: An Adaptive Response Strategy For Complex Incidents.Naval Postgraduate School MS Thesis, September 2005. http://library.nps.navy.mil/uhtbin/hyperion/05Sep%5FPfeifer.pdf

 

 Hayes-Roth, F. Two theories of process design for information superiority: Smart pull vs. smart push. Command and Control Research and Technology Symposium: The State of the Art and the State of the Practice. San Diego, CA, US Department of Defense, Command and Control Research Program (CCRP). (2006, to appear)

 

 Hocevar, S., Jansen, E., & Thomas, G. Building Collaborative Capacity for Homeland Security. NPS Report (December 2004). http://www.nps.navy.mil/Research/04techrpt.html .

 

 Huston, T, Enabling Adaptability and Innovation Through Hastily Formed Networks,Reflections, VoL7.1 (2006)

© Copyright 2006, Peter J. Denning

 

出典: Denning, P., “Hastily Formed Network: Collaboration in the Absense of Authority”, Reflections, Society of Organizational Learning, MA, USA 2006

本稿旧版は『Communications of the ACM』誌第49巻4号(2006年4月)15~20頁で出版され、許諾を受けて組織学習協会(SoL)の『Reflections』(VoL 7.1)に再版しました。


日本語版発行: SoLジャパン、2011年4月

翻訳チーム:

 Yumi Fukushima, Yoshiyuki Ito, Mika Kumahira, Kanae Kuwahara, Tomoko Matsukawa, Maki Morikawa, Masahiko Muramatsu, Riichiro Oda, Hiroyuki Okamoto, Kaoru Sasaki, Kenji Sugano, Estuko Taguchi, Yoichi Tamura